T字型スキルを養う「ちなみに力」

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エンジニアとして仕事をしていく上で、どのようなスキルを伸ばしていくかは大きな課題です。よくある悩みとしては、一つの分野に特化して掘り下げていくのか、はたまたあらゆる分野を浅く広く俯瞰できるようにするのかが挙げられます。
もちろん両方を達成できるのが望ましいのはいうまでもないです。深い専門性と幅広い視野を持ったエンジニアとなれれば言うことなしです。いわゆるT字型スキルと言われるものですね。しかし実際は、時間は有限なのでそれはなかなか難しい話です。どちらか一方で手一杯となるのが普通でしょう。

また、これは個人的な感覚ですが、特定の分野を掘り下げるより他の分野へ広げていくほうが敷居が高い気がします。掘り下げは現状のスキルの延長線上ですから、ある程度自然に伸びていきます。しかし他の分野は、意識しないと関わることがないので少し勝手が違います。

そこでこの記事ではT字型スキルを目指すべく、比較的簡単に他の分野の知見を得る方法を提案します。

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よくある光景

ある日、ある製品の不具合解析を担当したとします。解析したところ問題は自分の担当範囲ではなく他のチームの担当範囲のモジュールなことがわかりました。そしてそのチームへ不具合解析を引き継ぎ、あなたの作業はひとまず終わりになったとします。
ここまでは通常の流れですし特に問題もありません。そして数日後に、他のチームから不具合解析完了したとの情報が流れてきて「ああ、そうなんだね、よかったね」と胸をなでおろします。

これでも業務上は自分の仕事はちゃんと行っているので特に問題はありません。問題解析することで自分の担当モジュールに対しても知見が増えたでしょう。この作業を日々繰り返していけば、自分の専門に対する知見は深まっていきます。

しかしここで、せっかくなら不具合のあったモジュールについても少しでもいいから知りたくなりませんか?ちょっと知見を増やしたくなりませんか?でも他のグループなのでちゃんとしたレポートを作成させることも難しいし、自分の時間もありません。「まあいっか」ですませることが、現実的なように思えてしまいます。

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「ちなみに力」とは

ここで一つ提案です。こんな時には「ちなみに」という言葉を使っていろんな情報を集めていくのはどうでしょうか。

やれ報告書を出せとかレビューさせろとか言っても、いちいちやっていくのは難しいのが現実です。そこで、例えば他モジュールの担当にエレベータや廊下で出会った時に「お疲れ様です。あ、この前の不具合の件、ちなみに何がダメだったんですか?」と世間話のような流れで聞いてみてはいかがでしょう。エレベータの中や廊下歩きながらなら多少忙しくても答えてくれるはずです。
「ああ、あれですね。ハード屋がコンデンサの容量を勝手に変えたらしくて、リセット信号の波形がなまってタイミングがずれていたんですよね」のようにサクッと概要を教えてくれます。そうなれば、もしあなたがハードに詳しくなければ「ああ、コンデンサの容量で波形が変わって不具合につながるんだ」という新しい知見を得られます。「ちなみに」の一言で、小さな一歩ですがT字型スキルを伸ばしたことになります。

「たったそれだけかよ」という声が聞こえてきそうですが、そして確かにたったそれだけなのですが、なかなかこれも侮れません。不具合だけでなく性能改善だったりとにかくなんでも、あなたの知らないことでかつ他の人が知ってそうなことでしたら応用が利きます。「Aさんのアイデアで工場のタクトタイム、めっちゃ短くできたそうですね!すごいですね!ちなみにどういうやり方だったんですか?」などのような感じです。また、別にエンジニアだからと言って技術に関係することでなくても構いませんよね。「四半期の売上ものすごく伸びてましたね!ちなみにそれって何でなんですかね?」と営業や上司に聞いてみてもいいですね。
一年間で仮に250営業日あったとして、2日に一回のペースで「ちなみに」で情報を拾っていくと、年間125個の知見がたまります。4年で1000個です。8年も経てば2000個です。1000個単位の専門外の知見を持ったエンジニアとそれ以外、この差は大きいです。専門分野の深堀だけで覆すのはかなりの差が必要でしょう。日々の積み重ねは案外侮れないのです。

ここでちょっと気になるのは「どのタイミングで声をかけるか」ですね。例えば課のミーティングの場でいきなり「ちなみにあの不具合の原因はなんだったんですか?」と聞いたら、問い詰めているような感じになってしまいます。
会議が終わって席に戻る途中ですとか、お昼ご飯を食べている時とか、帰りに駅まで一緒になった時とか、そいうい時についでに聞く感じでやる方が開いても答えやすいでしょう。個人的な感覚ですが、移動時に一緒に移動しながら聞くのが一番さらりと答えてくれるようです。

ここまで「ちなみに力」の素晴らしさを説いても「いやああまり知らない人に話しかけるのは勇気いるなぁ」と尻込みする人もいるかもしれません。ですが、誰だって人から教えを請われるのは悪い気はしないものです。それが不具合原因でなく改善や新規アイデアだったりすればなおさらです。むしろ難易度は低いはずです、どんどんチャレンジしましょう。「あのぅ私ソフト課のシンヤと申します、噂でAさんが起動時間を爆速にしたと聞きましてね、すごいですねさすがです。ちなみにそれってどうやったんですか?」みたいな感じでいけるかなと。個々のキャラで多少言い回しは変える必要がありますが、笑顔だったら大体大丈夫ですよ。

この「ちなみに」をことあるごとに実践していれば、専門外にも明るい人材になれるはずです。ぜひご活用ください!

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まとめ

この記事では「ちなみに力」というものを提案しました。他の人が解決したバグや不具合などに対して「ちなみにあれは原因はなんだったんですか?」「ちなみにどうやって直したんですか?」などとサラッと聞いて少しづつ知見を貯めていく方法です。
一回あたりに得られるものは少ないかもしれませんが、お手軽に実行できるために回数を稼げます。コツコツやっていけば、1年2年と経った時にかなりの差がついてきます。現場で「専門外のこともある程度わかるエンジニア」になれるはずです。
そうなればもうしめたものです。情報は情報を持っている人に集まります。専門外のことについてもそこそこ話せるようになったあなたのところに、また別の話が持ち込まれるようになり、そこでまた知見を得られます。このサイクルに入れば雪だるま式に知見を増やすことも夢ではありません。
今日から是非「ちなみに力」を発揮し、ことあるごとに「ちなみにそれってなんですか?」と聞いてつよつよエンジニアを目指していきましょう!

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